歯の病気予防はホームケア＆プロフェッショナルケア
「キュア」から「ケア」へ （治療から予防へ）
昔は病気の予防と言えば、「早期発見・早期治療」＝「キュア」でしたが、今は「未病」すなわち、病気にならないように「ケア」すること。つまり生活習慣を整え、体をいたわり手入れすることで病気を未然に防ごうという考え方に変わってきています。歯の病気も同じで、病気を未然に防ぎ「虫歯」や「歯周病」にならないようにしようという考え方になっています。正しい予防方法を知って、自分の歯を病気から予防していきましょう。
現在は「お口のケア」を、ホームケアとプロフェッショナルケアに別けて、この二つをしっかり行うことで、歯を守っていくという考え方が主流です。
ホームケア（家庭で出来る予防法）
● プラークコントロール：正しいブラッシング
・歯ブラシ ・スーパーフロス ・歯間ブラシ ・ラバーチップ ・デンタルフロス ・糸ようじ
● フッ素：歯を強くしたり、むし歯になりにくくします
・フッ素入り歯磨き粉 フッ素入り洗口液、ジェル
● 生活習慣
・栄養バランスのとれた食生活 ・よく咬む ・十分な睡眠 ・適度な運動 ・食後の歯磨き
● シュガーレス
・キシリトールガムを咬む ・砂糖の入ったお菓子をひかえる
※キシリトールとは：白樺や樫などの樹木を使ってできた天然の甘味料です。むし歯の原因になる酸を作りません。
プロフェッショナルケア （歯科医院で行う予防法）
ホームケアだけでは、むし歯や歯周病の予防はできません。ベストなお口の健康を保つには定期的なプロフェッショナルケアが必要です。
・ブラッシング指導 ・フッ素塗布 ・スケーリング（歯石除去）
・SRP（歯肉の中にある歯石除去）、PMTC など
● バイオフィルムってご存知ですか？
例えばお風呂のパイプや下水道の内側のヌルヌルなど、身近なバイオフイルムです。表面に強くくっついて、簡単にははがれない、細菌の集団の膜です。歯科では、プラークバイオフイルムといいます。歯の表面についた白っぽいネバネバした物質、生きた細菌の塊とその代謝物がほとんどです。歯の表面にバイオフイルムができるまでは18時間以上かかります。歯周病も虫歯もこのプラークバイオフイルムが一番の原因になっています。プラークは歯と歯肉の境目（歯周ポケット）から入り込みバイオフイルムをつくります。強い毒素を出す細菌が増えて、他のところの歯周組織も攻撃するようになります。毎日の歯磨きで、歯ブラシが届きにくい所のプラークがバイオフイルムを形成していきます。
● 予防法は？
1日1回はプラークが簡単に落とせるうちに丁寧に歯磨きをする事です。
もっと効果的な方法は！！専門家（プロ）によるおそうじです！
● プロによるおそうじって？
PMTCといって、歯科衛生士による専門の機械を使った歯のクリーニングの事です。一番はプラークバイオフイルムの除去です。毎日しっかり磨いるつもりでも、どうしても歯ブラシが届きにくいところ、汚れがたまりやすい所ができてしまいます。この部分の大掃除を専門の機械で徹底的に行うのがPMTCです。
P／Professional（プロフェッショナル）・・・専門家（歯科医師・歯科衛生士により）
M／Mechanical（メカニカル）・・・専用の器具を使用して
T／Tooth（トゥース）・・・歯を
C／Cleaning（クリーニング）・・・清掃
● PMTCは口の中の健康をサポートする手段です。
PMTCは患者さんの口の中の状態や症状によって、専門家（歯科医師・歯科衛生士）の判断のもとに行われます。定期健診で患者さんの健康サポートとして行うのはもちろんですが、治療中でバイオフィルムがうまく取れない場合なども、口の中の状態によってPMTCは行われます。
● PMTCの効果
毎日のブラッシングでは落とせない歯石、歯の表面の細かい汚れ、細菌の膜を専門の機械を使って取り除き、歯の表面をツルツルにすることでプラークがつきにくくなります。最後にフッ素ジェルを塗布することで歯の質を強化します。患者さんのお口の状態（むし歯・歯周病に対するリスク・治療状況など）により、3ヶ月〜6ヶ月毎に行い、安定したお口の状態を保ちます。
● どんな風にするの？
（1）プラークの染め出し
（2）歯石、付着物の除去
（3）専用のチップで歯と歯の間の汚れを除去
（4）研磨剤をつけてブラシとカップで歯肉の境目より2mm~3mm下まで磨いていきます。
（5）フッ素を塗布して終了です。
● 効果は？
歯の表面がツルツルになるので、プラークがつきにくくなります。バイオフイルムを破壊するので、細菌が住みにくくなり、歯周病や虫歯の進行を抑制します。定期的に行うことで予防につながります。 一度受けてみると爽快感とツルツルな舌触りでピカピカ！きっと喜んでいただけると思います。
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