歯牙移植のご提案

歯を失うことは、我々人間にとって、肉体的、精神的に最大級のダメージとなります。歯をなくしたら『入れ歯を入れればいい』と安易に考えないで下さい。又、抜けたまま、慣れて不自由しないという人はNG。論外ですよ。最善は、歯を失わないようにすることですが、既に失ってしまった方はどうすればいいでしょう?特に、取り外しの義歯を入れられている方は、大変ご苦労されていると思います。ポケットデンチャーになっていませんか。食事ごとの口腔清掃、外出時はほんとうに大変ですね。いちいち取り外して、支えになっている残った歯も、最近グラグラと動いてきて不安!と思っている方もおられるのでは。もっと快適に、おいしい食事を楽しみたい、と思う事でしょう。

 インプラントはどうですか?
「予算オーバー」「怖い」「体の中に金属が・・・」

 私の提案は、自家歯牙移植。これができれば、インプラントの問題を解決できますよ!自分の残っている歯を、歯がないところに移植する考えです。歯牙移植の考え方は、以前から存在し臨床で実践されていました。私の臨床ケースでは30年のケースもあり、インプラントと比べコストをおさえることができます。インプラントと移植歯のコンビネーション法も欠損部解消の解決法となります。是非、ご相談ください。健康で、おいしい未来を共に目指しましょう!



歯牙移植とは

 虫歯や歯周病などで、抜歯を余儀なくされた場合、その後はブリッジか義歯、又はインプラント治療が一般的ですが、もう一つの選択肢として自分の親知らずなどを移植することができます。移植とは、親知らずや、生えている位置が異常などの理由で使用されない歯を利用し、義歯よりも違和感が少なく、インプラントとは異なり、自然な歯の機能を生かせるという特徴があります。また、ブリッジや義歯のように両隣の歯を削ったり、負担をかけることがありません。自費治療にはなりますが、インプラント治療よりコストがかからず、ご自身の組織を使うので、安心して行える処置です。



歯牙移植による治療経過



ケース(1) 右上第一小臼歯の根が割れた。その後、右下親知らずを右上第一小臼歯に移植。
術前
術後




ケース(2) 右上第一大臼歯の根が割れた。その後、右上親知らずを右上第一大臼歯に移植。
術前(2015.4.16)
移植中(2015.5.7)
術後(2016.1.26)
術後(2017.6.26)
術後(2019.2.4)


CT、レントゲン等の画像診断を行い患歯が、保存できるか、否かの診断を行います。このケースのように右上の第1大臼歯は、歯牙破折しており、破折の部位も中央よりで保存不可能と診断しました。口の中を見わたすと当該歯の後方の3番目の大臼歯〔親知らず〕が幸いに存在し、その歯と対合する噛み合う歯もなかったため、破折した第1大臼歯を抜歯し同時に第3大臼歯を移植するという選択をしました。移植の方法としては、ドナー歯〔親知らず〕の術前歯牙矯正〔移植前に矯正力を加えると歯根膜組織が活性化し、予後がいいとされています〕と術時のドナー歯の根面へエムドゲンというクスリの塗布等を行うことが、歯の歯根面の歯根膜という組織を守るとされています。移植のポイントはこの歯根膜の生存が重要とされています。移植後約1ヶ月すると、移植された歯牙がしっかりしてきます。その後、歯根管の治療、冠をかぶせる治療を行い移植治療の完了となります。以上概要ですが、他の治療法インプラント、ブリッジ、部分義歯の説明をおこない移植法の治療の選択を得ましたので当方法で治療をおこなうこととなりました。
 手術自体はインプラントと違い規格されたドリルはないので、術者の手技、経験や感を頼ることになります。手術のリスクとしては、歯科でおこなう、抜歯、小外科、インプラント手術に準じます。
 術後は、細菌感染の防止や痛みの軽減のため、抗菌剤、鎮痛剤でコントロールを行います。治療が完了しても、定期的なチェックは必要です。口腔内清掃状態、歯周病のチェック、噛み合わせ、あたる力が大きかったり、コンタクト(歯と歯の横方向の接触)が緩かったり、口の中は変化の渦中にあり、定期的咬合調整をしていかねばなりません。また、歯牙移植で注意が必要なのは歯根吸収の問題があります。先程述べた歯根膜組織が消失すると、体は歯根を異物と捉え異物を食べる細胞が排除しようと活動します。これが歯根吸収です。こうならないようにするため、歯根膜組織を守る術前矯正やエムドゲンの処置は大切な対応といえます。

移植歯は、なぜ歯根管の治療が必要ですか?
一度抜歯した歯は、神経、脈管が断裂されるため歯の内部の歯髄組織が壊死してしまいます。壊死した組織をそのままにすると歯の根の先端部に病巣ができたり、炎症で痛みが生じたり、せっかくの移植歯を失う可能性があり、歯根管の根管充填を行います。

移植歯は、なぜ歯を被せる治療が必要ですか?
移植歯が歯槽骨にしっかり生着させるため治癒期間は噛んだ時の咬合力がかからないように対合する歯と接触しないように無咬合にして治癒をまちます。しっかり安定生着したうえで対合する歯との咬合を構築するため、歯を被せる治療が必要になるのです。


費用について

自費治療になります。お気軽にスタッフにご相談下さい。

110,000円(税別)〜